国道沿いにある食堂。ずーっと昔からあって、ずーっとそのまま。お洒落でもなければレアなものが食べられる訳でもない。
お昼には近所のおっさん達がご飯を食べにくる。現場最中の作業員のおっさん、長靴を履いた漁師のおっさん、ステテコ姿の爺ちゃん。食後はみんな煙草をぷかぷか…タバコを吸わない(遥か昔にやめた)僕にはなかなかハードな環境だけど大丈夫。
お気に入りの窓際の席に座って窓を開ければ爽やかな外の空気が入ってきてぷかぷかのもくもくはなくなる。ペットボトルに詰め替えた麦茶をおばあちゃん(食堂の主)が入れてくれる。注文をする。
「中華そば大」「はいよ」とすぐ通るけどメニューには大盛り表記はない。でも注文は通る。
数分もしないうちに出てくる。ラーメン鉢からあふれそうな勢いの中華そば大。
味はなんというか「昔ながらの味」そのもの。小さい頃に友達の家に遊びに行ったら出てきたような、家庭の味的な?でもインスタントラーメンじゃない。
スープはどうしてるのか分からんけど、ただの即席スープではない。ついつい飲み干しそうになってしまう安定した味。鶏ガラ醤油味、でも醤油は薄め。
そして麺は中太の生麺。製麺所なのかどこかのスーパーなのか、もしどこかのスーパーなら売ってるとこ教えて欲しい。なんとも美味い。
こだわりの麺!とか気張った感じじゃなく、本当に普通の麺だけど美味い。ついつい食べちゃう美味しさ。
そして具はもやしと卵焼きを切ったのと焼豚とネギ。実にシンプルなありきたりの具。そしてこれがまた美味い。
決して行列もできないし、秘伝のタレとか72時間煮込んだスープとかじゃあない。でも美味しい。はっきり言ってそういうこだわりの!とかっていうラーメンよりある意味美味い。飽きがこない。
ゆっくりと味わって「ごちそうさま」席を立つ。「ありがと。600円ね!」
お会計を済ませて店を出る。ずーっと昔からあって、ずっとそのまま。お洒落でもなければレアなものが食べられる訳でもない。でもだからこそ、こんな食堂が大好きだ。ずっとずっとそこにあって欲しいと思う。今日もご馳走さま。
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